香川県の中部を流れる「綾川」は、香川県と徳島県境に位置する讃岐山脈の最高峰、標高1,068mの竜王山北麓付近を源とし、長柄池を経て、田万川、梶羽川、今滝川、富川を併せながら平野部の府中湖に流れ込み、坂出市の林田町と江尻町の境界から瀬戸内海に注ぐ全長約38kmの二級河 川です。
上流域の浸食された花崗岩の奇岩が眼を奪う柏原渓谷、讃岐平野を眼下に一望するビューポイント・高山航空公園、中流域の綾川町から坂出市にまたがって広がる府中湖付近を中心に、自然と歴史スポットを訪ねました。
河口付近から瀬戸大橋を望む |
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「柏原渓谷キャンプ村TaTuTaの森」よりさらに上流 |
綾川中流に位置する湖で、「新さぬき百景」に選ばれています。景観の美しさから自然の湖のように見えますが、実は、昭和41年に完成した府中ダムによって出来た人口湖です。湖水は、主に下流域の番の州 工業地帯への工業用水、坂出市の水道用水、陵北平野の農業用水に利用されています。
「府中湖」には坂出市カヌー研修センター、競技審判台、乗降艇桟橋などの施設が整備されており、日本選手権や国際派遣選 手選考会などの大規模な大会が開催されます。日常でも県内の高校、社会人クラブの本格的なカヌー練習風景が見られ、色とりどりのカヌーが湖面を走る姿は、絵になる風景です。
府中湖大橋に向かって進むカヌー |
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艇庫やシャワー・更衣室などの設備を備えた坂出市カヌー研修センター |
坂出市の水がめ・府中ダム |
県都・高松市から「金毘羅さん」の愛称で知られる琴平町に向かう途中の国道32号(高松市〜高知市)沿いの道の駅です。駅舎はさぬきうどんの店、カフェテリア、お土産ショップ、産直市場の複合店となっており、隣接地にはいちご農園が併設されています。
「うどん会館」は予約制となっており、材料の小麦粉を使って、生地づくりから包丁で切って仕上げる、本格的なさぬきうどんの手作り体験ができます。麺の太さはバラバラでも、自作のうどんの味は格別です。併設されたうどん店で実食できます。
当駅の自慢の逸品は「さぬきうどんアイス」。アイスの中に刻まれた本物のうどんが・・・。心配無用、うどんの食感はアクセント程度です。うどんダシの風味に仕上げた傑作アイスは、風味を抑えた「さっぱり」と、風味を強調した「こってり」があります。「どちらにしようか」思案のしどころです。
道の駅「滝宮」お問い合わせ先
TEL:087-876-5018
●さぬきうどん滝宮
10:00-15:00
休:火曜日
●手打ちうどん教室(要予約)
9:30-11:00、14:00-15:30
休:火曜日、日曜・祝祭日
●カフェテリア32
8:30-16:00
休:第1・3火曜日
●ショップ綾川
8:30-18:00
休:第1・3火曜日
●ふれあい産直市
8:30-16:00
休:第1・3火曜日
●いちご農園
12月〜6月開園
複数の施設が集まる道の駅。 |
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雨ごいを祈る「滝宮の念仏踊り」の像 |
地元の農作物が並ぶ産直市場 |
綾川に架かる歩行者専用の「滝川橋」 |
当駅自慢の逸品「さぬきうどんアイス」 |
県下有数の桜の名所として知られ、道の駅「滝宮」から徒歩で移動できる利便性も手伝って、春には多くの花見客で賑わいます。
遊歩道を降りて行くと、そこは綾川の河川敷。川辺にたたずむと、鳥のさえずりが聞こえ、地域の住民の心を癒す憩いの場所となっています。
小鳥のさえずりが聞こえる親水公園 |
1933(昭和8)年、高松と琴平を結ぶ交通の要所に架けられた、鉄筋コンクリート製のアーチ橋です。戦前では香川県内唯一の開腹アーチ橋で、高欄に特徴があり、凸マークのような意匠が規則正しく並んでいます。親柱も金毘羅街道の宿場町であることを反映し、灯篭をイメージしたアールデコ調の凝った意匠となっています。平成23年、土木学会より歴史的土木構造物として選奨土木遺産に認定されています。橋の北側には国道32号に架かる新滝宮橋、南側には「ことでん」が走る綾川橋梁が見えます。
地元民の生活道として、現役で活躍中 |
覗いてみたくなる親柱の穴からの風景 |
主祭神は建速須佐之男命(たてはやすなのおのみこと)で、かつては、瀧宮牛頭天王社(たきのみやごずてんのうしゃ)と称し、滝宮の産土神(うぶすながみ)として地域の人々に慕われ、牛馬の守護神としても崇められてきました。
レンガを敷いた桜並木の遊歩道で滝宮天満宮とつながっており、散歩を楽しみながら移動できます。境内にある愛嬌のある牛の象が、参拝者を温かく迎えてくれます。
当社は「滝宮念仏踊り」の起源の社とされ、その後、浄土宗の法然が讃岐に配流(はいる)となったおり、浄土宗の布教のために踊りに念仏を取り入れたことから「念仏踊」といわれるようになったと伝えられています。
当神社と滝宮天満宮を併せて、滝宮両社と呼ばれています。
老松が茂る参道と、その奥に入母屋造りの拝殿 |
神使(しんし・神のお使い)の石像 |
菅原道真を祭神として祀る「滝宮天満宮」は、道真が讃岐の国司として赴任した時の官舎(有岡屋形)跡に建てられたと伝えられています。
道真公は学問の神様として広く崇敬され、拝殿前の絵馬掛けは、合格祈願の絵馬で埋め尽くされています。
境内に一歩足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのが立派な土俵やぐら。菅原家は、日本書紀に出てくる出雲国の勇者・野見宿禰(のみのすくね)の後裔。道真公の遠祖・野見宿禰の遺徳を偲び、毎年9月、地元の幼稚園児と小学生による奉納相撲が執り行われています。
滝宮と言えば、五穀豊穣と雨乞いを願う夏の神事「滝宮の念仏踊り」。花笠をかぶり陣羽織を着た踊り手が、太鼓・笛・鉦・ほら貝のはやしにあわせ、念仏を唱えながら躍ります。菅原道真が讃岐の国司を務めていた時、大干ばつがあり、これを憂いた道真公が、断食をして祈願したところ、雨に恵まれ、喜んだ農民が歓喜したという古事に由来するもので、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。毎年8月25日、滝宮神社と当天満宮で行われています。
明治21年に再建された滝宮天満宮 |
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子どもたちの出番を静かに待っている土俵 |
受験生の願いが込められた絵馬 |
拝殿に掛けられた菅原道真の肖像画 |
滝宮の念仏踊り |
高松空港のほぼ真西に位置する高台にあり、公園までのアクセス道は、カーブが多く、道幅の狭い個所もあり、決してよいとは言えませんが、それにも勝る魅力があります。
高松空港を見下ろす展望台に立つと、一直線に伸びた高松空港の滑走路が一望でき、運が良ければ、離陸直後の飛行機が頭の真上を通過するエキサイティングな体験ができます。
公園には、本物のセスナ(170B小型単発機)、ヘリコプター(川崎ベル47G3B-KH4)、自衛隊のT-2超音速高等練習機が展示されています。間近で見るT-2超音速高等練習機の迫力は別格。童心にかえり、興奮します。週末は、敷地内の高山パークセンターで、喫茶、軽食も楽しめ、地元物産品を買うこともできます。
真っ直ぐに伸びる高松空港の滑走路 |
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T-2超音速高等練習機 |
ファミリー向けに設置された遊具 |
綾川上流の前山と笠形山に挟まれた約7qの清流沿いに広がる自然豊かな渓谷で、渓谷の名はカシワの木が多く生息していたことに由来しています。
高松市内から車で1時間ほどの距離にあり、身近な川遊びのスポットとして、夏期には渓谷のあちこちで川遊びを楽しむ人の姿が目にします。
林野丁の「水源の森百選」、「さぬきの名水」に選ばれています。
川遊びに興じる子どもたち |
大小の石の間を縫うように下る清流 |
柏原渓谷を上流に向かって車を走らせると、道は急に広くなり、開けた場所に出ます。ここが、「柏原渓谷キャンプ村TaTuTaの森(タツタのもり)」です。
敷地には、あちこちに大木が茂り、まさに森の中のキャンプ場。テントサイト、バーベーキューサイトのほかに、コテージやバンガローも備え、春から秋にかけて、多くの人で賑わいます。綾川がキャンプ場に沿って流れており、子どもたちが安心して川遊びができるように整備されています。夏期には、キャンプ客が冷蔵庫代わりに川でスイカ冷やしている光景を目にすることも珍しくありません。
「柏原渓谷キャンプ村TaTuTaの森」
お問い合わせ先 TEL:087-878-3340
受付時間 8:30〜17:00(3ヶ月前より受付)
キノコを連想させるメルヘンチックなコテージ |
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泊まり込み研修に最適な研修棟(ふるさと研修館) |
キャンプ場に沿って流れる綾川 |