川の情報誌 WEB版amenbo

目次|① 吉野川本川との合流地点② ふれあい広場③ 天神の瀬④ 二又の瀬⑤ 知野橋周辺
⑥ 白人の瀬⑦ 白人神社と神明神社⑧ 恋人峠の廉貞星宮殿⑨ 恋人橋⑩ 閑定の滝

すこやか川散歩

穴吹川

「穴吹川」は、徳島県の最高峰・剣山を源とし、美馬市木屋平地区を北流し、穴吹地区で吉野川本川に合流する、吉野川水系主要河川の一つです。河川延長41.9km、流域面積202km2。四国地方整備局から、十数年連続で「四国一きれいな川の認定を受け、2012年には日本一の清流と認定されました。いたる所に川と親しむスポットが点在し、春から秋にかけては、多くの人々でにぎわいます。今回は、川遊びの聖地の代表をもいえる美馬市穴吹エリアの立ち寄りポイントをご紹介します。

マップ
マップ
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① 吉野川本川との合流地点

 脇町ICから車で10分ほど走れば、穴吹川が吉野川本川に注ぎ込む合流地点があります。伊予街道の穴吹新橋から北を見れば、その先に合流地点を見ることができます。日本一の清流は河口付近まで清らかな流れを見せ、この周辺でも夏には川遊びをする人の姿が見られます。
 伊予街道と平行してJR徳島線が走っています。この鉄橋の支柱は赤煉瓦。レトロな雰囲気が清流に似合います。運が良ければアンパンマン列車が、鉄橋を走る風景を見ることができます。

 

鉄橋付近からの移動距離約500m

吉野川本川との合流地点

赤煉瓦の鉄橋を渡るアンパンマン列車

 
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② ふれあい広場

「ふれあい広場」は、油屋美馬館の下にある穴吹川の人気スポット。毎年夏に開催される「穴吹川筏下り大会」では、バザー会場や閉会式の会場となります。
ここには、「名橋旧穴吹橋」のモニュメントが残されています。旧穴吹橋は、1928年に吉野川に2番目に架けられた抜水橋。右岸側147mの形式は吊橋型ゲルバー式ワーレントラス橋と呼ばれるもので、その構造や姿が東洋一とうたわれた美しい橋、穴吹川のシンボルとして愛されてきました。
この上の高台にある「油屋美馬館」は、穴吹川、吉野川本川を眼下に見下ろす宿泊施設。ラウンジからの眺めが素晴らしく、川遊びの後での日帰り入浴も楽しめます。

 

油屋美馬館
お問い合わせ先☎0883-53-7733

 

ふれあい広場から約2km

ふれあい広場

旧穴吹橋のモニュメント

油屋美馬館

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③ 天神の瀬

穴吹川を手作りの筏で下る「穴吹川筏下り大会」では、中学生の部の出発点などにもなる「天神の瀬」。川遊び・川釣りのメッカで、アユやアメゴの釣り場としても人気。有料の専用駐車場があり、季節限定で店開きをする「リバーサイドしでの家」では、はっさくアイスやシャーベットも楽しめます。

 

リバーサイドしでの家
お問い合わせ先☎090-2783-9755
営業日5月~10月(土・日・祝日)8時〜17時
(7月20日~8月末は毎日営業)

 

天神の瀬から約3km

天神の瀬

黒い羽のトンボ

天神の瀬の河原

天神の瀬とリバーサイドしでの家

 
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④ 二又の瀬

清流・穴吹川を舞台に繰り広げられる真夏の恒例イベント「穴吹川筏下り大会」。川の流れが分かれて中州ができることから、「二又の瀬(中野宮)」と呼ばれています。
筏下り大会では、一般競争の部などの出発点ともなる場所。夏は色とりどりのテントも並び、水遊びを楽しむ人の姿が多く見られます。
二又の瀬に行くには、国道からラッキー橋と呼ばれる橋を渡ります。このたもとにあるのが「武曲星(むこくせい)宮殿」。この宮殿とは、旧穴吹町の郵便番号777にちなんで、穴吹地区の名所・旧跡7カ所に7年計画でミニ宮殿を建設したものの一つ。北斗七星を構成する星の名前を七つの宮殿に冠しています。
このあたりは昔、妖怪が出没するといわれた神秘的な場所。周辺には大蛇(竜)伝説が伝わることから、ここを「清流の郷」にちなんで「青竜の郷」としてラッキー宮殿の一つ「武曲星宮殿」を設置しました。
この上にあるのが「清流の郷ブルーヴィラあなぶき」。川遊びの基地として、宿泊施設やバーベキューハウス、貸別荘のコテージもあり、日帰り入浴も可能です。

 

お問い合わせ先☎0883-55-3777
(定休日 毎月第一水曜日)

 

二又の瀬から約2km

二又の瀬で水遊びを楽しむ人々

穴吹川筏下り大会

武曲星宮殿

ラッキー橋とブルーヴィラあなぶき

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⑤ 知野橋周辺

二又の瀬から2kmほど上流に知野集落があります。このあたりで川の流れは二つに分かれ、その一つに沈下橋が架かります。この知野集落は、竹を編んだ仕掛けでモクズガニをとる伝統漁法が伝わることでも知られています。
知野橋の近くでは釣り人の姿も多く見かけますが、魚釣りには届け出が必要。松本商店(電話0883-52-2046)、下浦商店(電話0883-52-1751)で遊漁承認証(一日券大人3,000円)を購入します。
アユは6月1日~10月19日までと11月11日から12月31日まで。アメゴは3月1日から9月30日までが解禁です。

 

知野橋付近から約2km

知野橋付近

沈下橋の風景

釣りをする人の姿も見られます

 
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⑥ 白人の瀬

春には桜の名所、秋には紅葉が美しい「白人の瀬」。ここも、有名な川遊びスポットです。

 

白人の瀬からすぐ

白人の瀬

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⑦ 白人神社と神明神社

白人の瀬と道をはさんで建つ「白人神社」。5世紀末の古墳時代、白髪の老人が天から下り、「この谷は聖地なり」といって神々を祭った神聖な場所と伝承されています。
保元の乱で讃岐に流された崇徳上皇を訪ねた源為朝が、阿讃国境の相栗峠で弓を引いたところ、うなりをたてた矢が白人神社に落ちた地の伝承もあります。この弓は、神社の宝物となっており、旧正月14日、「御的射」という弓を射る神事が行われています。
神社は慶長年間(1596年~1614年)、阿波藩家老で脇城主・稲田修理亮によって再興されました。白人神社から100mほど西南に進み130段ほど石段を登ると「神明神社」。
石垣で囲まれた不思議な姿を見た駐日イスラエル大使がその著書で「ユダヤの祭殿や神域を思わせる造りで、自然石を積み上げたものであった」と記した、ユダヤ教との共通点を持つ貴重な神社です。
ここから剣山の麓に続く「しらたえの道」は、古代、この地に住みついた忌部(いんべ)氏がコウゾで織った「白妙(しらたえ)」を神明宮に献上するために運んだ道と伝えられています。

 

白人神社から約3km

白人神社
 

白人神社に飾られた馬の人形を
納めたお堂

神明神社の入り口、
先には130段の階段が…

神明神社の貴重な神殿
 

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⑧ 恋人峠の廉貞星宮殿

白人神社から3kmほど上流にある「恋人峠の廉貞星宮殿。
「恋人峠」とは、恋人である平家の落人を追いかけてきた娘がこの難所に遮られ、涙の別れになったという伝説の峠。
現在は愛を誓ってフェンスに鍵をかけるという風習が生まれ、恋人たちの聖地と呼ばれています。また、穴吹町商工会青年部により幸せになる鐘「アンフィニ・ベル」が設置され、「鍵をかけ二人で永遠の幸せを誓ってこの鐘を鳴らして下さい。」と石版に記されています。

 

廉貞星宮殿から約200m

廉貞星宮殿の金網。ここに鍵をかけると二人は固く結ばれる?

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⑨ 恋人橋

廉貞星宮殿から上流に200mほど行くと、左手に赤く塗られた欄干の「恋人橋」。
「恋人」と書いて「こいと」と読みます。橋の上から渓流をのぞくと、翡翠色の渓流が大岩にあたって、白い波しぶきが上がる清流がまるで銀河のように見えます。
七夕の織姫と彦星にちなみ、7月7日に恋人橋の両側から恋人同士が歩み寄り、橋の中央で永遠の愛を誓うと、織姫と彦星とは違って永遠に離れないとか・・。

 

恋人橋から約1km

赤い欄干が印象的な恋人橋

恋人橋から眺める渓谷

 
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⑩ 閑定の滝

恋人橋から1kmほど上流に向かえば、国道沿いに「閑定の滝」の看板が見えてきます。国道から一歩足を踏み入れると、水しぶきと滝の音。穴吹川の支流「閑定谷川」にある落差約33mの滝で、上流にはサンショウウオがすんでいるそうです。
夏にはひとときの涼が、秋には紅葉が幽玄の世界に誘ってくれます。

 

幾筋もの清らかな糸のように流れ落ちる閑定の滝

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