川の情報誌 WEB版amenbo

目次|① 道の駅みま② 奈良川緑地公園③ 道の駅広見森の三角ぼうし④ 成川渓谷⑤ 道の駅虹の森公園まつの
⑥ 岩谷縄文遺跡(岩谷)⑦ 広見轟の甌穴群⑧ 安森洞⑨ 善光寺薬師堂⑩ 道の駅日吉夢産地
⑪ 節安ふれあいの森

すこやか川散歩

 愛媛県南部から高知県へと流れる広見川は、1級河川四万十川の支川(渡川水系)で、2番目に大きな河川。総延長は56.3㎞で、愛媛県鬼北町の高研山(1055m)や霧立山(1096m)などを水源とし、鬼北町、松野町を貫流し、幾つもの支川を合わせ、高知県四万十市江川崎で四万十川に合流します。
 今回は、奈良川などの支川も含め、流域の立ち寄りスポットを紹介し、広見川源流域へと向かいます。エリアには、4つの道の駅があり、どんな物産や味に出会えるのか楽しみ。寄り道しながら、のどかな川の風景をたどります。

マップ
マップ
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① 道の駅みま

 広見川の支川の一つ、三間川の流域に位置する「道の駅みま」。松山自動車の三間ICから降りてすぐにあり、四万十川観光の拠点として、さまざまな施設が充実しています。
 無農薬や低農薬販売にこだわった新鮮な野菜などが並ぶ「農産物直売コーナー」、オリジナル商品も並ぶ「特産品コーナー」、バイキングを楽しめるレストラン「畦みちの花」。さらには、三間出身の創作版画家として世界的にも活躍した「畦地梅太郎記念美術館」、農機具の父と呼ばれた「井関邦三郎記念館」も併設されています。電動アシストなど自転車のレンタサイクルもあるので、四国霊場札所の龍光寺や仏木寺などの周辺スポットも散策可能です。
 県道31号宇和三間線は、秋にはコスモスがゆれる花街道として知られ、清酒「コスモスのささやき」など、コスモスにちなんだオリジナル商品も人気です。
 道の駅の傍らには三間川が流れ、青い山並みに向かって緑の川岸が続きます。その土手には懐かしい土の道。ひととき、そぞろ歩いてみましょう。

 

●道の駅みま

問い合わせ先: ☎0895-58-1122

定休日:年中無休(1月1日のみ定休)

営業時間:9時~18時

●お食事処「畦みちの花」

定休日:第1火曜日(繁忙期は営業)

営業時間:9時~17時

人気のランチバイキングは11時~13時30分

●畦地梅太郎記念美術館・井関邦三郎記念館

問い合わせ先: ☎0895-58-1133

休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)

開館時間:9時~17時(受付は16時30分)

 

 

道の駅みまから約11㎞

「道の駅みま」三間川側からの外観

「道の駅みま」の傍らを流れる三間川

畦地梅太郎記念美術館館内

特産品(清酒コスモスのささやき・
吟醸ジュレ大番)

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② 奈良川緑地公園

 三間川は奈良川を合わせ、やがて広見川に注ぎ込みます。今回は、奈良川の上流も訪ねることにします。その前に立ち寄ったのが、鬼北町役場の裏手に広がる「奈良川緑地公園」。その名の通り、奈良川沿いに整備された河岸の広場。10月第2土曜の前夜祭や翌日曜に開催される町最大のイベント「でちこんか※」の野外会場です。イベント当日は、特産品が並ぶ「びっくり市」や「ジャンボきじ鍋」のふるまいなどでにぎわいます。
※「出てきませんか」を意味する方言

 

問い合わせ先: ☎0895-45-1111(鬼北町建設課都市計画・管理係 内線2411・2412)

 

 

奈良川緑地公園から約0.5㎞

奈良川緑地公園と奈良川

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③ 道の駅広見森の三角ぼうし

 広見川散策においては、拠点となる「道の駅森の三角ぼうし」。当駅のシンボルは巨大な赤鬼。全国で唯一、自治体で「鬼」の字が付く町「鬼北町」ならではのお出迎えです。
 建物の中には、農家から新鮮な野菜が届けられる「産直市」、鬼北名物のユズを使った特産品や鬼グッズなどが並ぶ「特産売場」、鬼北のキジ肉を使ったカレーやラーメンもおすすめの「彩り茶屋」があります。

 

●道の駅広見森の三角ぼうし

問い合わせ先: ☎0895-45-3751

休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日・8月無休)

営業時間:8時~18時

●彩り茶屋

営業時間:9時~17時(LO16時30分)

 

 

道の駅広見森の三角ぼうしから約9.2㎞

赤鬼が迎える「道の駅森の三角ぼうし」

「道の駅森の三角ぼうし」
特産品売り場

地元名物のキジ肉を使った
カレー&ナン

鬼北町ゆかりの鬼製品とゆずゼリー

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④ 成川渓谷

 奈良川緑地公園から、県道316号、国道320号を通り、奈良川上流にある成川渓谷を目指します。そこは、鬼ヶ城連峰から流れ出る清流が3㎞にわたって渓谷美を生み出す森の中の癒やしスポット。
 渓谷内にある宿泊施設「成川渓谷休養センター」には、食事だけでも利用もできるレストランがあり、鬼北特産のキジ肉を使った料理も味わえます。ロッジやキャンプ場、アルカリ性単純泉の「高月温泉」も人気です。温泉で癒やされた後は、清流沿いを散策してみましょう。夏の清流では、桑の葉を洗う風景を見ることも。乾燥させてお茶にするのだそうです。

 

●成川渓谷休養センター・キャンプ場・ロッジ

問い合わせ先: ☎0895-45-2639

休館日:第2第4火曜日(祝日の場合は翌日・8月無休)

レストラン営業時間:11時~15時

●高月温泉

問い合わせ先: ☎0895-45-2516

休館日:第2第4火曜日(祝日の場合は翌日・8月無休)

営業時間:11時~21時

 

 

成川渓谷休養センターから約13㎞

成川渓谷休養センター

成川の清流で桑の葉を洗う風景

成川渓谷

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⑤ 道の駅虹の森公園まつの

 「道の駅広見森の三角ぼうし」から国道381号を南へ向かい、今回3つ目の道の駅に寄り道です。松野町に入って間もなくの国道沿いにあるのが「道の駅虹の森公園まつの」。ここには、淡水魚の水族館「おさかな館」があり、四万十川を代表する幻の魚「アカメ」を見ることができます。愛らしいコツメカワウソの姿や、時間によってはペンギンの散歩も見逃せません。
 環境に配慮したリサイクルガラスの工房「風音」やその製品を展示販売するコーナー。松野町近隣で獲れた鹿の肉「まつのジビエ」なども並ぶ「かごもり市場」。旬の野菜や果物を使ったスムージーもあるフードコーナ。四万十の青さのりが入ったうどんなどがあるレストラン「遊鶴羽」は、毎月第2、第4火曜日の11時~14時は農家レストラン(ランチバイキング)を開催。完熟トマトのもぎとり体験ができる「森の国ファーム」もオープン。松野町は梅の産地としても知られ、梅にちなんだ土産も味わってみたいもの。
 道の駅の裏には、広見川を楽しむ親水公園が。ここから広見川は、幾つかの支川を集めて蛇行し、やがて国道沿いに流れながら高知県に入ります。そして、四万十市西土佐で四万十川と合流します。

 

●虹の森公園

問い合わせ先: ☎0895-20-5006

定休日:毎週水曜日(祝日・春休み・GW・夏休み・冬休みは営業)

営業時間:10時~17時

 

 

虹の森公園から約6㎞

道の駅虹の森公園まつの

ガラス工房「風音」展示コーナー

おさかな館コツメカワウソ

おさかな館水槽「アカメ」

アカメ

特産の梅を使った人気商品

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⑥ 岩谷縄文遺跡(岩谷)

 「道の駅虹の森公園まつの」から県道280号を北に向かいます。すると、鬼北町立泉小学校の近くに、広見川の東岸河岸段丘から発掘されたという「岩谷遺跡」があります。ここは、約3千年前、縄文人が暮らしたという場所。おびただしい数の縄文土器や石器などが出土し、石を置いた配石遺跡も発見されました。これは、ハヤ、ウナギ、ナガエバなどの豊漁を祈念した祭祀(さいし)跡ではないかと考えられているそうです。発掘跡近くには、縄文時代の住居が復元され、そのすぐ傍らを流れる広見川。太古から人々の暮らしを支えてきた清流は、今なお夏のアユ漁、ウナギ漁、秋のカニ漁で知られています。

 

 

岩谷縄文遺跡から約5.5㎞

復元された縄文時代の住居

「岩谷遺跡」の傍らを流れる広見川

 
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⑦ 広見轟の甌穴群

 広見川は急流が多く、幾つかの箇所で甌穴が見られます。甌穴とは、川の岩石面にできる円形の穴。水流が川床のやわらかい部分を浸食して浅いくぼみができ、そこに入った小石が渦の流れなどで回転し、さらに丸みを帯びた穴を拡大させたというもの。カメ穴とかポットホールとも呼ばれていいます。広見川ではこの他に、延川バス停付近や大滝橋下でも甌穴が見られます。
 中でも轟橋付近の「広見轟の甌穴群」は最も規模が大きく、橋の下流域に幅80m、長さ160mにもわたって分布。穴の大きさも直径3cmのものから2mに及ぶものまであります。

 

 

広見轟の甌穴群から約8㎞

広見轟の甌穴群

広見轟の甌穴群

流れがつくった甌穴

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⑧ 安森洞

 広見川の支川、安森川の上流に車を走らせると「安森洞」があります。昭和34年に「風穴」を調査中、鍾乳洞が見つかり、動物の骨がたくさん出てきました。今は洞窟から流れ出す清流を利用して、夏は「流しそうめん」や「ニジマス釣り」を楽しめます。土日祝日限定で、おにぎりや釣ったニジマスを塩焼きにして味わうことも。週末の身近な避暑地としてにぎわいます。

 

●安森洞そうめん流し

問い合わせ先: ☎0895-48-0830(安森ロマン亭)/期間外は三島石油店☎0895-48-0136

期間:6月最終日曜日~8月末日

営業時間:10時~17時

 

 

安森洞から約5㎞

安森洞

安森洞内部

ニジマスの塩焼き

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⑨ 善光寺薬師堂

 「安森洞」から再び国道320号に向かって走り、国道手前で旧道に入ると、「善光寺薬師堂」があります。薬師堂は、室町時代の禅宗様式の特徴を備えた建物で、四国では最南端に位置する貴重なものとして、国の重要文化財に指定されました。堂の中には厨子があり、その中に木造薬師如来坐像が安置されています。
 薬師堂創建の年代は定かではありませんが、修繕の際に、薬師如来像から正平13年(1358)という修理銘が出てきました。これにより、それ以前に開かれたと推測されています。地元では、寿永4年(1185)の壇ノ浦の戦いに敗れた北九州の豪族が、薬師如来を造立したと伝わり、それが薬師堂の始まりともいわれてきました。
 山里にたたずむかやぶき屋根のお堂、その始まりは今なお謎に包まれています。

 

 

善光寺薬師堂から約8㎞

善光寺薬師堂(国の重要文化財)

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⑩ 道の駅日吉夢産地

 薬師堂から、国道320号を東へ向かいます。道沿いには青空を映してゆったりと流れる川の風景が広がり、「古用(ふるよう)」のバス停近くでは、板を渡しただけの沈下橋やウナギ漁の仕掛けを見ることも。この国道の先に、「道の駅日吉夢産地」があります。
 この道の駅には、オリジナルの地元商品や新鮮な野菜も並ぶ「特産品売り場」や地元の食材を素材としたメニューが自慢の「お食事処武左衛門」があります。屋内の焼きたてパンコーナーや、手作りシャーベットなどを販売する屋外の「ゆずシャーベットハウス」もおすすめ。ちなみに「武左衛門」は、江戸時代に農民一揆を率いて圧政に抗議し、年貢の引き下げなどを認めさせたという郷土の恩人。8月には、一揆を再現した「武左衛門ふる里まつり」が行われます。また、「武左衛門」を冠したみそなど、特産品のユズが入った土産物も、武左衛門同様に根強い人気です。
 夢産地は、支流の一つである日向谷川が、広見川に注ぎ込む合流点のすぐ先にあります。次は合流点に戻り、広見川に沿って県道285号を源流域へと向かいます。

 

●道の駅日吉夢産地

問い合わせ先: ☎0895-44-2340

休館日:1月1日以外店内無休

営業時間:8時~18時

●お食事処武左衛門

定休日:火曜日

営業時間:9時~17時(LO16時)

 

 

道の駅日吉夢産地から約16㎞

道の駅日吉夢産地

特産品のユズなどを生かした
人気商品

 
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⑪ 節安ふれあいの森

 県道285号線に入ると川の流れは細くなり、渓谷という風情。さらに山に分け入り、その先にあるのが「節安ふれあい森」です。ここ は、広見川の源流域にある広大な自然公園。別荘気分を味わえるバンガローやキャンプ場があり、バーベキューを楽しむにも最適。体験学習施設では、うどん打ち体験にも挑戦でき、宿泊も可能です。
 夏はそうめん流しが有名で、近くのワサビ田で採れたという新鮮なワサビやスダチなどを自分ですりおろし、ミョウガやショウガ、青シソなどの薬味をトッピングして味わうことができます。
 今回の広見川の旅は道も行き止まりになり、この森が終点。広見川源流域のすがすがしい空気を思う存分吸い込んで帰路につきます。

 

●節安ふれあいの森

問い合わせ先: ☎0895-44-2990/開園日以外は日吉支所☎0895-44-2211

開園期間:ゴールデンウィーク・7月中旬~8月末日

●節安ふれあいの森そうめん流し

問い合わせ先: ☎0895-44-2990/開園日以外は日吉支所☎0895-44-2211

開園期間:7月中旬~8月末日

営業時間:10時~15時

 

節安ふれあいの森

節安ふれあいの森ロッジ

 
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