川の情報誌 WEB版 amenbo

目次| ① 龍神社| ② 嘉母神社| ③ 加茂川左岸うちぬき公園<|/a> ④ 伊曽乃神社|
⑤ |武丈公園| ⑥ 止呂峡| ⑦ 黒瀬湖| ⑧ 極楽寺(本坊・別院蔵王殿)|
⑨ |石鎚ふれあいの里| ⑩ 石鎚山の駅| ⑪ 石鎚登山ロープウェイ下谷駅| ⑫ 大宮橋|

すこやか川散歩

加茂川

 加茂川は、愛媛県西条市を流れる全長約28.4km、流域面積191.8k㎡、愛媛県有数の二級河川です。西日本最高峰、石鎚山(1,982m)に源を発し、名古瀬谷川をはじめ網の目のように広がる多くの支川を集め、「うちぬき」で知られる西条市の豊富な地下水を涵養しながら瀬戸内海(隧灘)に注いでいます。


マップ
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① 龍神社

 江戸時代の1778年から1882年にかけて干拓された禎瑞地区は、加茂川や中山川に囲まれた河口に位置し、燧灘に面した風波の強い場所です。1799(寛政11)年、時の西条藩主は、この地を台風や高波などの自然災害から守るため、海神を祀ったのが「龍神社」の始まりです。加茂川の堤防沿いの鳥居をくぐると、乙女川の川面に浮かんでいるように本殿が建てられています。

 

龍神社から約2.3km

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② 嘉母神社

 加茂川の土手沿いにある「嘉母神社」は1778(安永7)年、竹内立左衛門が藩命を受け、加茂川、中山川の下流の三角洲を新田開拓するに際し、藩内祈願社6社の神主を集めて祠を建て、祈願したのが始まりです。境内には、全国利き水大会で「一番おいしい水」に選ばれた甘露な湧水がこんこんとあふれています。
 西条市最大の秋祭り「西条まつり(西条市内にある四つの神社の秋の例祭の総称)」は、嘉母神社の秋の例祭からスタートします。

 

嘉母神社から約2.3km

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③ 加茂川左岸うちぬき公園

 西条市には霊峰「石鎚山」の伏流水による地下水の自噴井があり、鉄棒を地面に打ち込み、くり抜いた竹を入れて地下水を確保したことから、「うちぬき」と呼ばれています。「うちぬき」は約3,000本を数え、一日の自噴量は約9万㎥におよび、生活用水、農業用水、工業用水にと広く利用されてきました。
 1990年に整備された「加茂川左岸うちぬき公園」は、「日本名水百選」のひとつ「うちぬき」を気軽に取水することができる公園として知られています。園内に流れるせせらぎは、加茂川を模して造られました。

 

加茂川左岸うちぬき公園から
約3.6km

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④ 伊曽乃神社

 一千八百有余年という長い歴史を有する「伊曽乃神社」は、天照大御神と国土開発の祖神である武国凝別命をお祀りしています。奈良時代から伊予国第一の大社として皇室の御崇敬が厚く、1982(昭和57)年には浩宮様(現在の天皇陛下)が御参拝なさいました。
 1991(平成3)年、神宝類約130点、古文書等の蔵書約1万冊を収蔵する宝物館が開館され、国の重要文化財『与州新居系図』など興味深い絵や書が展示されています。
 西条市最大の秋祭り「西条まつり※」の中でも、伊曽乃神社の例大祭は最大規模を誇り、宮出しの初日、奉納される豪華な山車(だんじリ・みこし)計80台余りが境内に集まります。翌日、川を渡って宮入りに向かう神輿をだんじりが取り囲み、水しぶきをあげて練り合う様は、水の都の祭りにふさわしいフィナーレのひとこまです。
 西条市公式YouTubeでは「平成28年度西条秋まつリダイジェスト」を公開中です。

※「西条まつり」とは、五穀豊穣を神に感謝する神事で、西条市内にある四つの神社(伊曽乃神社、嘉母神社、石岡神社、飯積神社)の例祭の総称です。

 

西条市観光振興課 ☎0897-52-1690

伊曽乃神社 ☎0897-55-2142

 

伊曽乃神社から約1.5km

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⑤ 武丈公園

 加茂川沿いに整備された「武丈公園」は、約百種、約1,500本の桜並木が続く愛媛県有数の桜の名所です。江戸時代の天保年間、加藤定右衛門(俳号武丈)という歌人が植樹をしたことに始まり、俳号にちなんで「武丈桜」と呼ばれています。
 桜の開花時期には屋台が並び、夏はキャンプ、秋は鮎釣りなどが楽しめます。例年、8月中旬から10月中旬にかけ、周辺の加茂川河川敷広場で「いもたき」が行われます。

 

いもたきについての問い合わせ:
西条いもたき実行委員会
☎0897-53-3167(開催期間中のみ対応可)

 

武丈公園から約11.8km

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⑥ 止呂峡

 加茂川の支川の一つ、谷川の上流域にある「止呂峡」は紺碧の淵として知られ、深い渓谷には大蛇伝説が残されています。渓谷を見下ろす「止呂橋」は、つり橋時代の支柱が残されており、独特の雰囲気があります。たもとには止呂明神が祀られています。

 

止呂峡から約14.5km

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⑦ 黒瀬湖

 加茂川河口より13km上流地点にある「黒瀬ダム」は、集水面積約100.6k㎡、湛水面積約1.35k㎡の多目的ダムで、1973(昭和48)年3月に完成しました。1982(昭和57)年9月より流水の落差を利用し、水力発電を行っています。
 ダム湖は「黒瀬湖」の愛称で親しまれ、湖の周囲に沿って桜の木が植えられています。湖畔には1号公園、2号公園があり、キャンプや川遊びの人気スポットです。

 

ダムカード配布場所
黒瀬ダム管理事務所☎0897-56-3131
配布時間:9時~17時(士・日・祝日含む)
訪問者のみ、手渡しにより1人1枚限り

 

黒瀬湖から約6.4km

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⑧ 極楽寺(本坊・別院蔵王殿)

 加茂川を見下ろす「石鎚山真言宗総本山極楽寺」は、飛鳥時代の680(天武天皇9)年頃、役行者が石鎚山に入山し厳しい修行を続け、天河寺を開いたことに始まります。南北朝時代の1350(観応元・正平5)年に天河寺は兵火で焼失、現在の場所にご本尊を移し、極楽寺としました。
 「本坊」への参拝は、西条市より石鎚登山ロープウェイ下谷駅に至る県道12号線のほぼ中間地点にある別院「蔵王殿」を目印に、別院横の急勾配な石段330段を上ります。足に自信が無い人には、広い道ではありませんが本坊近くまで行ける車道もあります。

 

極楽寺(本坊・別院蔵王殿)から
約1.4km

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⑨ 石鎚ふれあいの里

 「石鎚ふれあいの里」は、1990(平成2)年、廃校になった高嶺小学校の施設を利用し、山間部の振興と交流を目的に開設された自然体験型学習施設です。竹工作などの体験メニューに参加することもでき、旧校舎を改装した研修棟では30名までの団体研修を行うことができます。ファミリー向けには、木造のケビン6棟が整備され、旧運動場を利用したキャンプサイトも備えています。地元の食材を生かした食堂もあり、3日前までの予約でバーベキューも楽しめます。
 加茂川のほとりに位置し、シーズンには川遊びをする人々でにぎわいます。

 

【石鎚ふれあいの里】
休業日:年末年始(12月27日~1月3日)
電話の受付:9時~18時
問い合わせ:☎0897-59-0203

 

石鎚ふれあいの里から約500m

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⑩ 石鎚山の駅

 2016(平成28)年にオープンした「石鎚山の駅」は、西条市大保木地区のみなさんが、「限界からのチャレンジ」を合言葉に「山の駅開設実行委員会」を立ち上げ、木造2階建ての元旅館を手作りで改修し誕生しました。
 木の香り漂う山の駅内では、住民手作リのかずら細工や陶芸品などを販売しています。

 

【石鎚山の駅】
営業日:土曜日曜のみ
●営業時間:10時~16時
問い合わせ:☎0897-59-0226

 

石鎚山の駅から約7.1km

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⑪ 石鎚登山ロープウェイ下谷駅

 「石鎚登山ロープウェイ下谷駅」は、西条市から石鎚山への登山ルートにあるロープウェイ山麓側の駅です。標高455m地点にあり、標高1,300mの山頂成就駅まで所要時間約8分で到着します。駅の周囲には人工の滝、役行者堂、子安観音、石鎚大権現の堂があります。
 県道12号(西条久万線)沿いにあるロープウェイのりば入口前には「石鎚山温泉 温泉旅館京屋」があり、日帰り入浴も可能で、炭酸水素塩冷鉱泉の白い湯が登山客やスキー客を癒やしています。

 

【石鎚登山ロープウェイ】
基本年中無休
営業時間:8時40分~ 17時(季節・曜日によって異なります)
閻い合わせ:☎0897-59-0331

【石鎚山温泉温泉旅館京屋】
基本年中無休
営業時間:10時~ロープウェイの最終運行時間の30分後(札止め)
問い合わせ:☎0897-59-0335

 

石鎚登山ロープウェイ下谷駅から
約650m

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⑫ 大宮橋

 1927(昭和2)年竣工の大宮橋は鉄筋コンクリート造りのアーチ橋で、装飾に工夫がされるなどデザイン性が高いことから、「土木学会推奨土木遺産」に認定されています。交通量の少ない山間部に立派な橋があることに驚きますが、かつて国道が通る可能性があったという話もうなずけます。
 2015(平成27)年の検査で劣化が激しいことが分かり、特殊な樹脂を使っての補修工事が2020(令和2)年9月に完了したばかりで、往時の輝きを取り戻した大宮橋を見ることが出来ます。

 

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